仕様:1992年製Greco GP-850FRのネックです。1992年末にひっそりと登場したGreco GPシリーズです。どちらかというとちょっと前に登場したGreco WPシリーズの方が広告もそれなりにありフルカタログにも掲載されているので、そこそこ流通していますが、こちらといえば新登場した翌年の1993カタログは薄いパンフレットレベルだし、広告もないし、1993年末には結構大きめなマイナーチェンジを受けてしまうしかなり不遇なモデルです。1994モデルの後期型はフルカタログでもトップの扱いですし全く扱いが違います。ということで概要ですが、GPシリーズの基本は一部例外もありますがつばだしのレギュラースケール22Fネックになります。そちらに指板にはなんとエボニーを採用しています。1980年代にGrecoで採用された合成樹脂のエボニールではありません、黒檀です。このネックに、Floyd Rose Original(ゴールド)、ライトアッシュボディを採用して1993年当時の定価は85000円です。いや、おかしいでしょ。しかも1994モデルの後期型はDRYまで付いています。前期型はX-TRAですが。というわけでこのネックの指板にはエボニー(本黒檀)が使用されています。黒々として、磨けば磨くほど艶がでるという特性があり、指板では高級な材になりますが、近年乱伐により希少材になりつつある材です。確か今ではこれも制限がある材になったのではないでしょうか。他の特徴としてはヘッドには後退角がついたスカーフジョイントネックになっています。ヘッド形状はちょっとバナナヘッドにエッジを付けたような形状になっています。で、ちなみにこれは前期モデルの特徴で、後期モデルになると…ヘッドに後退角のないストレートヘッドになって、ヘッド形状も今の下方に下がった形状をもっと上に持ち上げたような形状に変更されます。ジョイント方法も前期はプレート使用したトライアングルジョイント、後期はネックジョイントパーツを使用したプレートレスジョイントになっています。この辺はIbanezも含めたフジゲン製ギター全体で、1994モデルからジョイント方法は変更されています。ということで結構前期、後期でぱっと見のスペックは変わっていないように見えて激変しています。ヘッドはボディ同色のシースルーブラック。ネック裏はグロスフィニッシュになっています。製造はもちろんフジゲンです。 スペックはレギュラースケール(648ミリ)、つば出し22フレット。仕様はハードメイプル、エボニー指板。グリップはやや薄めのUグリップ。ネックエンドの形状はスクエア形状(ボトムがフラット)です。ペグはビス穴斜めだしののロトマチックペグ対応です。ロックナットは裏止めのFloyd Rose R3ナットが使用されていました。ジョイントはプレートを使用したトライアングルジョイントになっています。 サイズ:ネックエンドのサイズは幅57.0mm、厚さは26.2mm(フレットは含みません)、ナット幅は43.3mmです。 コンディション:外観の程度は全体的に軽めの使用感はあるものの、フレット残もありまずまずだと思います。ヘッド:そんなひどい傷はないのですがヘッドロゴ部分にペーパーがかけられ、Grecoロゴの下方が若干消えており、Spirits of the liveというプリントは消えています。指板:このネックの最大の売りであるエボニー指板は傷、くぼみはなく、エボニーは硬いわりに割れやすい材ですがこの個体は割れはなく良いコンディションを保っています。フレット:やや大き目のフレットで段減りはなく、ローフレットで6割から8割残、ミドルは7割から8割の残、ハイフレは8割から9割残っています。ネック裏:ちょっと傷はありますが演奏に支障を与えるようなものはありません:ナット裏:裏止めナットの宿命ともいえるナット装着部のクラックですが、クラックはありますがクリア部分のクラックのため木部のクラックではありません。 ネックの状態は現状でストレートで、ロッドは左右に回り余裕もあります。 メンテナンス:指板清掃、オレンジオイル塗布、フレット研磨、全体磨きです。 送料は、ゆうパック100サイズです。 希少材であるエボニーが使用された貴重なネックです。